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第11回放送 青い鯉のぼりに、願いを託して

出演:石井良花さん

 徳島市内で横笛教室を主宰する石井さんが、宮城県に住んでいる高校生が震災で亡くなった5歳の弟 のために「青い鯉のぼりプロジェクト」を立ち上げていることを知ったのは昨年のことでした。

3月11日の震災以来、徳島でいる自分に何かできないだろうかと考えていた石井さんは、この青い鯉の ぼりプロジェクトの存在に大きく心を動かされました。震災で亡くなった多くの子どもたちの鎮魂と、今なお 家族や大切な人を失って傷ついた心を持つ子どもたちを励ますために、徳島の知人に呼びかけて青い鯉 のぼりの提供を呼びかけたのです。

しかし近年の住宅事情や少子化から、青い鯉のぼりを提供してくれる人はなかなか見つかりませんでし た。それでも石井さんの手元には27匹の青い鯉のぼりが集まり、昨年の4月に宮城県東松島市に贈ること ができました。

その後、「青い鯉のぼりプロジェクト」のホームページで、全国から寄せられた青い鯉のぼりが空を泳ぐ写 真を見た石井さんは、このプロジェクトをもっと徳島県下の多くの人に知ってもらいたい、そして一匹でも多く の鯉のぼりを徳島から贈りたいと考え、昨年の11月と今年の1月に、ご自身が主催する教室やカルチャーセ ンターの生徒たちに呼びかけ、演奏会を開催したのです。

その結果、観客約300名による復興へのメッセージを寄せ書きした鯉のぼりを含め、30匹を宮城県に贈 ることが出来ました。また、石井さんの呼びかけに賛同した阿南市加茂谷の鯉まつりの実行委員会も、そ の後20匹の鯉のぼりを追加して贈ってくれたそうです。

こうして全国から寄せられた青い鯉のぼりは、震災からちょうど1年後の3月11日からこどもの日の5月5 日まで、津波で大きな被害を受けた宮城県東松原市の青空を、元気いっぱいに泳いでいます。

青い鯉のぼりを通して、震災地の子どもだちと見えない絆で結ばれていると話す石井さんは、これからも コンサートなどの活動を通して、青い鯉のぼりを宮城県の子どもたちに送り続けていきます。