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第15回放送 白菊の花火に込められた鎮魂

出演:徳島白菊特攻隊 隊員 葎内健司さん

 第二次世界大戦の末期に、板野郡松茂町の旧海軍徳島航空基地から前線に飛び立った「白菊特攻 隊」。特攻隊と言えばあまりにも有名なのが「ゼロ戦」ですが、「白菊」はもともと偵察員を訓練するための練 習機で、実践に出動することはないはずでした。

しかし戦局の悪化と共に、日本軍は「白菊」を的の艦船に体当たりして自爆する「特攻作戦」へと駆りだし たのでした。木製で速度の遅い「白菊」の大半はいとも簡単に敵に撃墜され、徳島航空隊の56人の若者 の命が沖縄の海に消えていきました。
そんな「白菊特攻隊」を偲ぶため、わずかに生き残った隊員や遺族らが結成した「徳空会」では、毎年、慰霊 祭を開いてきましたが、関係者の高齢化もあり、2009年に33年間の幕を下ろすことになりました。
それまで「白菊特攻隊」も[徳空会]の存在も知らなかった澤内健司さんですが、偶然テレビで特集していた 「最後の慰霊祭」を目にして大きな衝撃を受けました。

その後、元隊員や関係者の方の話を聞いているうちに、澤内さんの心の中で一つのアイデアが浮かびま した。国のため、愛する家族のために散っていった白菊特攻隊の若者たちのことをこれからの若者に伝 えてゆくためにも、澤内さんは花火をあげることにしたのです。

こうして2010年から新しい形で始まった鎮魂の白菊花火の打ち上げですが、残念なことにその開催を、 そしてその花火に込められた願いを知っている人はごくわずかです。

今年もやってくる徳島白菊特攻隊の出撃日。5月24・27・28日、6月21・25日の午後8時前後に小 松海岸から2発の白菊花火が打ち上げられます。

「もし夜空に浮かぶ白菊の花火を見たら、人知れず飛び立っていった若者たちを偲ぶと共に、平和に暮 らせる毎日に感謝して欲しい。」それが澤内さんのささやかな願いです。