出演:青空演劇 代表 山村ノブ子さん
今から10年以上前のこと。当時、カラオケが大好きだった山村さんは、仲間が集まれば自慢の喉を競う というのが日課になっていました。
しかしながらいつしか仲間内で趣味のカラオケに甲乙をつけることに疑問を感じ始めていました。
そこで同じ趣味を特つなら争うのではなく、誰かのために、自分のためになることをしようと「演劇」を思いつ いたのでした。「どうせするなら今まで自分が歩んできた人生の哀歓を表現したい、そしてそれを誰かに見て もらうことで、もう一度輝きを取り戻したい」と始めたのが、「青空劇場」でした。
それまで楽しんでいたカラオケは一人の芝居でしたが、演劇はチームワークが勝負。「よし、やってみよう!」 「私も何かを伝えてみたい!」そう意気込んで、山村さんのもとに仲間たちが集まりました。
今年で結成13年目になる「青空演劇」の現在の劇団員は平均年齢75歳…!
1年半に1本の新作上演を目標に、練習に励んでいます。また既存の作品ばかりではなく、山村さん自らが 書き下ろし、脚本から演出まで手掛けるオリジナル作品も多数上演してきました。
老人施設やコミュニティセンターなどで1年に2~3回上演される舞台には、笑いあり涙あり、その中に「命 の尊さ」「自立の精神」「親子の関係」など、平均年齢75歳の劇団だから表現できる人生のメッセージがいっ ぱい込められています。
そんな「青空演劇」の舞台の特徴は、いつも客席と舞台が一つになれること。泣いたり、笑ったり、共感し たりーそうして少しずつ演じる人と観客との間にこころにきずなが生まれてきたのです。
今日を生きていることに、仲間といっしょに演じられることに、そして誰かに演劇を通じてメッセージを送れ ることに感謝しながら、山村さんは、そして劇団員のみなさんは、今日も楽しみながら練習に励んでいます。