episode05
年数を重ねて旨味が増す、
「ゆべし」を作り続けたい!
出演/藤井 よしみさん
「ゆべし」は神山町でつくられる、柚子をつかった郷土料理です。徳島県産の柚子の皮に味噌などさまざまものを詰めて蒸したあと、寒い時期に2〜3ヵ月ほど風通しの良いところに干して乾燥させて作る保存食として古くから伝えられています。手間を掛けて作る1年もの、2年もの、3年ものと年数をかけるだけ味わいに深みが増すのも特徴です。
「ゆべし」の作り方ですが、まずは、柚子のヘタの部分を切り取ります。この切り取ったものは後で蓋として使います。その切り取った柚子の中身をくり抜いて、中に味噌、みりん、三温糖、松の実、くるみなどを混ぜたものを半分ほど詰めます。その後で半時間以上蒸して冷まします。蒸すと水分が抜けて減ってしまうので、さらに中身を足します。その後に紐で止めて2月末まで3ヵ月ほど屋外に吊るして完成。。
ただここから1年、2年、3年とより年数を重ねて寝かせることで、それぞれ素材の味が絡み合って深い味わいになりますね。薄くスライスしてお酒のつまみにすると最高ですよ。
もともとは薬草の会というのに参加して教えてもらって、自分で作ってみたのがきっかけです。できあがった「ゆべし」は親戚や友人に配ったりもしていますよ。食べた人から「おいしかった」といっていただけるととても嬉しいですね。大量生産できないのが残念なところですが、少しでも多くの人に食べてもらいたいです。
でも、作る楽しさが何よりも喜びなので、これからも「ゆべし」を作り続けていきたいですね。