リビングにも置ける! おしゃれでモダンな仏壇の選び方とおすすめ7選

先祖や故人を偲ぶための仏壇を望みながらも、「インテリアに合わない」「置く場所がない」などの理由からどうしたら良いのか?悩んでいる人もいらっしゃるのではないでしょうか。今は、伝統的な仏壇以外にもリビングに適したモダンな仏壇も多くあります。
仏壇の起源や必要とされる理由とあわせて、リビングにも合わせやすいおすすめのおしゃれな仏壇もご紹介しますので、参考にしてください。

インテリアコーディネーター

MATSUDA Tomomi

大手ハウスメーカーで10年以上コーディネーターとして勤務。高級家具メーカーでのスタイリストを経て、現在はライターとして ”年を重ねても健やかで美しい暮らし” のご提案をしています。森の近くのマンションで、夫婦ふたり暮らしを楽しむ40代。

小さくておしゃれな仏壇ならリビングにも置きやすい

仏壇と聞くと、きらびやかで大きなものをイメージする人は多いでしょう。和室向きのデザインが最近のインテリアにそぐわない点も、悩みの一つかもしれません。そこでおすすめしたいのが、コンパクトでモダンな仏壇です。

モダンな仏壇はシンプルさゆえにお手頃価格のものもあり、若い世代でも気軽に生活に取り入れやすいところも魅力的です。一方で、素材にこだわった美しい高品質でモダンな仏壇もあり、こだわりのあるインテリアをお望みの方に適したものもあります。

また、シンプルなデザインはお手入れが簡単なところも、仕事・家事・子育てなど、忙しい日々を送る私たち現代人にもぴったりなのではないでしょうか。

おしゃれでモダンな仏壇の選び方

家具調仏壇とも呼ばれるモダンな仏壇は、現代のライフスタイルに合わせてさまざまな形のものがあります。数あるモダンな仏壇の中から、どのように選べば良いのか、仏壇を選ぶ流れを3つのステップでご紹介します。

ステップ1.仏壇を置く部屋を決め、サイズをチェックする

かつては、仏事を行う専用の仏間を用意して仏壇を置くことが一般的でした。しかし、都会の暮らしではそのような空間を用意するのも、難しい場合も多いでしょう。

現代の暮らしの中で仏壇を置く場合は、みんなが集まるリビング、落ち着いた時間を過ごす寝室など、故人を身近に感じられる空間を選ぶと良いでしょう。

リビングや寝室に置く場合、まずは設置したい場所の寸法(高さ・幅・奥行)を測ってみましょう。また、仏壇を置く方角について、特に決まりはありません。直射日光を避けて、できれば風通しがよく家族がお参りしやすい場所がおすすめです。

ステップ2.仏壇のタイプから選ぶ

部屋に合わせた仏壇の寸法がわかったら、適切なサイズの仏壇を選びます。仏壇には、大きく分けて次の3つのタイプがあります。

床置きタイプ

床に直接置く大型の仏壇です。収納台が付いているため、台付き型ともいわれます。上段・下段で組み合わせを選べるものや下段に椅子を収納できるタイプもあります。

ある程度ゆとりある空間が確保できるなら、高さ1m20㎝~1m50㎝ほどの床置きタイプを選びましょう。仏壇の中も広く、仏具や位牌をゆったりと置くことができるでしょう。

上置きタイプ

コンパクトサイズで、シェルフなどの上に置くことができる仏壇です。幅・高さともに35㎝ほどの小さめのサイズから揃っています。

サイドボードや棚の上に置くのであれば、台座のないコンパクトな上置きタイプを選ぶようにします。

スタンドタイプ

最小限のスペースに写真や位牌、仏具を飾る台のような形。手元供養とも呼ばれ、壁にかけるタイプなど思うように場所を取れない方におすすめです。

ステップ3.仏壇の色・素材・デザインで選ぶ

リビングや寝室に置く場合、まわりの家具に合わせた素材や色を選び、部屋全体に統一感があるコーディネートを心がけましょう。

モダンな仏壇には、フローリングや家具などで使われている素材で作られたものが多く揃っています。たとえば、ウォールナットやオーク、メイプルなどは耳にしたことがあるのではないでしょうか。 また、モダンな仏壇はどちらかといえば装飾は少なく、シンプルなデザインのラインナップになっています。中には、市松柄の扉でインパクトが強いものや、ガラス・ホワイト鏡面塗装など、仏壇とは思えないような素材でできたものもあるので、お部屋のインテリアスタイルに合うものを選ぶことができるでしょう。

モダンな仏壇を選ぶ4つのメリット

モダンな仏壇は、現代の生活環境に寄り添ってくれます。従来型の仏壇は、ライフスタイルに合わないと悩んでいた方も、モダンな仏壇なら気持ちよく取り入れられるのではないでしょうか。ここでは改めて、モダンな仏壇の4つのメリットをご紹介します。

部屋を選ばないデザイン

従来型の仏壇は華美な装飾や宗教色がある雰囲気が強く、現代のインテリアになじまないケースも多いでしょう。その点、モダンな仏壇はスタイリッシュなデザインが多いため、フローリングのお部屋にもコーディネートしやすいことが大きなメリットの一つです。

一方であらゆる空間になじみやすいモダンな仏壇は、現代的なモダンな和室はもちろん、伝統的な和室にも合わせることができます。

コンパクトなサイズ

モダンな仏壇はコンパクトサイズも豊富に取りそろえられています。設置する場所を広く取れない現代のライフスタイル向けに開発されてきた経緯もあり、サイズ展開や新しい発想で生まれたデザインも多くあります。

たとえば、壁掛け型の仏壇や、オープンスタイルのステージタイプなど、これまでの仏壇のイメージである「箱型」とは異なる形も作られるようになったのです。寝室やダイニングなど、どこでも気軽に取り付け・設置ができるため、気軽に仏壇を生活に取り入れることができます。思い思いの場所で故人を偲ぶ時間を持てるでしょう。

色や形のバリエーションが豊富

モダンな仏壇では、一般的な家具でよく使われるウォールナットやメイプル、オークなどが使われます。またガラスや金属などの素材も取り入れられ、スタイリッシュモダンなデザインの仏壇も作られています。色や形の種類が多く、好みやインテリアに合わせて自由に選べる点もメリットといえます。

価格帯が幅広い

モダンな仏壇はサイズや種類によって価格は変わるものの、シンプルなデザインであれば、20~50万円ほどで手に入れられるでしょう。コンパクトなタイプの中には、10万円以下に予算を抑えられるものもあります。一方で素材にこだわった美しい高品質でモダンな仏壇もあり、ご自身のニーズに合わせたものを選ぶことができます。

モダンな仏壇と伝統的な仏壇の違いとは?

何度か触れたように、仏壇には伝統的な仏壇とモダンな仏壇がありますが、これらは具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。 一般的に伝統的な仏壇は、和室などに置くイメージが強い仏壇を指しており、「金仏壇」や「唐木仏壇」などが該当します。それぞれ仏壇の違いを比較しながら解説します。

素材の違い

伝統的な仏壇の一つ「金仏壇」は、表面の仕上げと見た目の豪華さが特徴的です。黒の漆塗り、あるいは漆に準ずるカシュ―や化学塗料を使った塗装がされています。さらには、金箔や金粉で装飾を施します。

また、唐木仏壇は、高級銘木である紫檀・黒檀・鉄刀木をはじめ、欅(けやき)などの木目が美しい木材を使います。動植物をモチーフとした彫刻が彫られているものもあります。

一方、モダン仏壇では、伝統的な仏壇でも使われる素材で作られることもありますが、より一般的な家具の材料として人気の高い素材が使われます。

たとえば、ダークブラウンの木肌色がシックモダンな雰囲気を醸し出すウォールナットや、ナチュラルなインテリアに合わせやすいメイプルなどです。 木目をつぶして真っ白に塗装されたものや内部にガラスの棚板を設置した、スタイリッシュなデザインの仏壇もあり、バリエーションの豊かさが魅力的です。

置く場所の違い

そもそも、仏事を行うための和室としての仏間があった時代に作られた伝統的な仏壇と異なり、モダンな仏壇は現代的なインテリアに合わせるように作られています。

リビングや寝室など日常生活を過ごす場所に置かれることから、他の家具とバランスよくインテリアの邪魔にならないようなデザインになっているものがほとんどです。

仏壇の大きさの違い

かつては、仏壇ありきの部屋に置かれることを前提としていたため、大きくて見栄えのするものばかりでした。モダンな仏壇はサイズもコンパクトなサイズものも多く、広いスペースが確保できなくても設置できます。

また、コンパクトサイズでも、必要最低限の仏具を揃えて設置できるようになっており、仏壇として機能していることが大切です。 多くのコンパクトサイズのモダン仏壇は、仏具をセットしやすい形状になっているので安心してお使いいただけます。

仏壇(ぶつだん)とは

仏壇(ぶつだん)とは、仏教で位牌(いはい)や仏像をお祀りする壇(だん:一段高い場所)すべてを指しています。

仏教が日本に伝来したのは、6世紀の中頃といわれています。現代に至るまでの長い歴史の中で、仏教はいくつもの宗派に分かれました。仏壇はもともと、各宗派のご本尊を安置する場所にご先祖様もあわせて祀り、家庭内の小さなお寺として機能したことに始まります。

平安・鎌倉時代に入ると、それまでは一部の貴族などだけの習慣だった仏壇が、一般庶民の間に広がりをみせます。江戸時代になると幕府の宗教政策により義務付けられた檀家(だんか)制度もあり、より生活になじみ深いものとして受け入れられるようになりました。

仏壇はなぜ必要?

仏壇は仏教への信仰から始まった習慣です。各宗派の本尊を安置し、寺に参拝する代わりに日常的に家庭内で信仰するためのものでした。

しかし、現代では宗教的な要素より、亡くなった家族の位牌を祀り、供養する場所としての意味が強くなっているようです。仏壇は、位牌に手を合わせ、故人を忘れることなく大切に想う場です。日々、語り掛けるように向き合えば、先祖や故人がそばで見守ってくれるように感じられます。

仏教徒ではなくても、故人を供養し、先祖に感謝を伝えるための場として、仏壇を必要だと思う方もいらっしゃるでしょう。位牌だけでなく写真や思い出の品を飾り、メモリアル祭壇のようにして、感謝の気持ちを伝えても良いかもしれません。

また、先祖や故人を日々の生活に寄り添わせることで、死生観について考えるきっかけにもなります。毎日の暮らしや家族に対して、謙虚に感謝する習慣が身に付くのではないでしょうか。

サイズ別おすすめのおしゃれな仏壇7選

最後に、現代の暮らしに適したおしゃれな仏壇をご紹介します。

素材や仕上げにとことんこだわった桜製作所とのコラボ商品「KIYUI SAKURA」

桜製作所の職人の手仕事による丁寧な仕上げ。永きに渡り愛着が湧いてくるクオリティーです。素材は「ウォールナット」「樺桜」の無垢材2種類。一つとして同じものはない、自然が織りなす木目の美しさもお楽しみいただけます。こだわりのあるインテリアをお望みの方 におすすめです。

輪島塗の名門キリモトとのコラボ商品「KIYUI KIRIMOTO」

輪島塗の基本技法「本堅地技法」や輪島キリモト独自の「漆布みせ技法」、「蒔地技法」を組み合わせる貴重な仕上げを施したモダンな仏壇。いわゆるツヤ感のある漆塗りとは違い、黒漆は質感もマットで落ち着いた趣きで、インダストリアルなインテリアにも適しています。

桜の象嵌がかわいらしい「十和(とわ)台付」

扉や背板に施されているのは桜の象嵌。桜が好きだった故人にもぴったりですね。素材は、ウォールナットとタモの二種類。リビングや寝室はもちろん、モダンな和空間にも適しています。

安心・安全な国産材にこだわった「アルモン(山桜)」

国産の無垢材にこだわって作られています。 サイズは横幅32×奥行28×高さ40㎝と非常にコンパクトなので、寝室や、ワンルームのような空間にも適しています。

収納豊富な揃いのチェストもある「アルモン(栗)」

前述のアルモンには、別売りでチェストも用意されていますので、床置きしたい時は、併せて揃えると良いでしょう。チェストのメリットはコンパクトなお仏壇だとどうしても収納は少なくなるのでその部分を補うことができます。広めのリビングであれば、チェスト付きも適しています。

本金箔の背板、矢羽貼りのデザインが特徴的「綾」

ナチュラルテイストのインテリアにおすすめのレッドオークを用いています。お仏壇を開くと本金箔の背板が美しく、そのサイドは矢羽貼りのシンメトリーなデザインが特徴的です。ダイニングにも適していますが、和の空間にもしっかり調和する一品です。

本黒檀を使用しながらも、シンプルなデザイン「匠」

伝統的な仏壇に用いられる本黒檀を使用した

伝統工芸品である徳島仏壇ですが、シンプルでコンパクトな作りの匠は置く場所を選びません。書斎や寝室などに適しています。

住宅事情やライフスタイルの変化にともない、伝統的な仏壇がそぐわないケースが増えてきました。かつては大きくて豪華なものが多かった仏壇ですが、今はフローリングの部屋に合うデザインや、小さなスペースでも置けるサイズのものなど、さまざまな種類が揃っています。

現代の私たちの生活にも相性が良い、おしゃれでモダンな仏壇で、暮らしの中の心のよりどころを作ってみてはいかがでしょうか?

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