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家に仏壇はいらない?必要?仏壇を置く意味や必要性を解説 | 仏事コラム | 暮らしといのり | ぶつだんのもり

家に仏壇はいらない?必要?仏壇を置く意味や必要性を解説

最近は仏壇を置く家が少なくなったといわれています。たしかに昔のように大型の仏壇を各家庭に置いて先祖をおまつりするという習慣は薄れているように感じます。
一方で、小型の仏壇やかわいらしいデザインの仏具が売れ筋であったり、遺骨をコンパクトな容器に納めて仏壇に安置する手元供養品も注目されています。仏壇離れというより弔い方が多様化するようになったという表現のほうが適当のような気がします。
本記事では仏壇は必要かどうか、その意味などについて解説していきます。

葬儀・お墓・終活コンサルタント、社会福祉士

吉川美津子 (きっかわみつこ)

著書「葬儀業界の動向とカラクリがよ~くわかる本」「お墓の大問題」「死後離婚」など著書・監修は50冊以上。Yahoo!ニュース、東洋経済オンライン等で葬儀・お墓・終活に関する記事を連載中。

仏壇を置く意味とは

私は高齢者福祉の分野にもかかわっているのですが、近年、老人ホームなど高齢者施設で居室に仏壇や位牌(いはい)を持ち込む人をよく見かけるようになりました。

特別養護老人ホームに入居していたAさん(女性)は、持ち込んだ小さな仏壇の中の先祖の位牌と夫の位牌に向かってお参りすることを日課としていました。入居してから1年半くらい経った頃でしょうか、Aさんは仏壇に向かう時間が長くなっていきます。その頃は誤嚥(※)を繰り返し、日中でもウトウトしている時間が長くなっていましたが、いつも起きるとすぐに位牌の前に車いすで移動します。

「身体が自由に動かなくなって、生きていくのがつらいと思っていたけど、やっぱり死ぬのは怖いよ。安らかに逝けるようにお願いしているの……」それから程なくして、Aさんはご先祖やご主人の待つ世界へ旅立っていきました。

こういったエピソードからもわかるように、仏壇とは、ご先祖や家族と向き合う場所であり、自身の心を寄せる大切な存在として、意味を持っているのではないでしょうか。

(※)誤嚥(ごえん):飲食物や唾液を飲み込んだときに気道(気管)に入ってしまうこと。

そもそも仏壇とは

少し、仏壇の歴史を紐解いてみましょう。法隆寺大宝蔵院に展示されている宝物の中でも、最も知られている名宝の一つに仏壇があるのをご存じでしょうか。その名は「玉虫厨子(たまむしのずし)」。厨子とは、仏像だけではなく、仏画、舎利(遺骨)、経典などを納める屋根付きの小仏堂のことで、玉虫厨子は推古天皇が愛用した日本最古の仏壇といわれています。

玉虫厨子がつくられた奈良時代は、国政に仏教が取り入れられた時代。日本書紀によると、686年、天武天皇が「国ごとに仏舎を作って仏像、経典をお祀りせよ」という勅令を出し、仏舎、つまり仏壇に相当するものが日本各地に広がったそうです。

このように、もともと、仏壇には仏様をお祀りする家の中のお寺、またはご本尊の家という特別な空間としての役割がありました。

心のよりどころ、先祖と向き合う場として

その意味合いは時代とともに変化し、本尊を祀るというより、ご先祖と向き合い心を寄せる場所として捉えている人が多い印象があります。

嬉しいとき、悲しいとき、心の内を表に出したいときに仏壇に向かうことで気持ちが安らぐこともあるのではないでしょうか?

『魂棚(たまだな)の奥なつかしや親の顔』


という向井去来(※)の句があります。ここでいう魂棚がどのような形なのか定かではありませんが、仏壇やお盆の精霊棚のように、故人を慕い、懐かしむ気落ちを表出する場として、こうした「弔い」を目的とした魂棚の類いが長年その役割の一端を担ってきたわけです。 ※向井去来(むかいきょらい):江戸時代の俳人。松尾芭蕉の弟子の中で特に優れた高弟を指す「蕉門十哲」の一人。

家に仏壇はいらないといわれる理由

昨今では、暮らしの在り方も変化してきていることもあり、仏壇はいらないと考える方も少なくありません。それにはいくつかの理由があります。どんな理由があるのでしょうか?解決策も併せてみていましょう。

置く場所がない

仏壇は大きいという印象を持つ人も多いので、いざわが家に取り入れると考えたとき、置く場所がないな、となってしまうようです。ですが、実はかなり前から仏壇のコンパクト化は進んでいます。都市部ではすでに20年前から、地方でもこの5年から10年にかけて急速にコンパクト化が進みました。 棚やキャビネットの上にのせたり、壁面収納の一角を仏壇コーナーとしてセッティングできるようなタイプもあります。ブック型やBOX型のミニ仏壇といった、高齢者施設に持ち込むなど移動を前提とした仏壇などがあります。

お部屋の雰囲気に合わない

フローリングの部屋に伝統的技法を駆使した仏壇は合わないと思う方も多いでしょう。また、たとえ和室があったとしても、「伝統工芸品のようなタイプの仏壇を置くのか」といったらそれもどうやら違うようです。近年の和室の利用用途は、子育てや家事、趣味の場として、またくつろぐためなど、自由に使える場所として和室を設けているので、伝統的なデザインの仏壇は合わないと感じるようです。

このような和室には伝統的なデザインの仏壇より、モダンで洗練された仏壇のほうがしっくりするでしょう。家具や車のデザイン、文房具ひとつとっても時代によってデザインのトレンドは日進月歩変化しています。毎日お参りしたくなるようなデザインの仏壇が見つかるのではないでしょうか。

守っていくのが難しい、面倒だ

たとえば、一人っ子同士の結婚で、夫婦それぞれ受け継いだ仏壇がある場合、一家に仏壇が二つになってしまうことがあるでしょう。それぞれの宗旨・宗派が同じであれば、なんとか一つにまとめられたとしても、それぞれ宗旨・宗派が異なっているとか、そもそも宗教が違っていると家に置くべきかどうかという問題にもなります。

ですが、「面倒だから仏壇はいらない」と考えるのではなく、最近は特定の宗教・宗旨・宗派に寄らない仏壇・仏具が増えているので、上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

無宗教、もしくは仏教徒ではない

無宗教という言葉をよく耳にします。しかし、よく聞いてみると実際には「無」ではなくそれなりの信仰心はあるけれど特定の宗教・宗旨・宗派にこだわらない、という人が多いようです。

最近、葬儀では「無宗教葬」といわず、「自由葬」という表現で執り行われるようになっていますが、仏壇もどのように弔いたいかというそれぞれの思いを特定の宗教・宗旨・宗派にとらわれず自由に表現する形で良いと思います。

仏教では、仏壇の内部に「三具足(みつぐそく)」といわれる「香炉」「花立」「ロウソク立て」が必要ですが、無宗教の場合は、これらをセットするのもしないのも自由で良いでしょう。「りん」も仏具だから必要なしと否定するのではなく、「音色が美しく気持ちが安らぐ」といった理由で置いてみるのも自由です。

仏壇に価値を感じない

神や仏も信じない、宗教にはまるで無関心という場合、仏壇に価値を感じないという人もいるでしょう。そうであっても、花一輪、線香一本、お供えもすべて無駄であると考える人はそう多くないと思います。たとえば「葬儀は無駄」「お墓はいらない」といっても、遺骨の前に写真を置いて、毎日ビールで晩酌をしている人もいます。故人を葬る一連の葬送儀礼の中で、自発的な信仰はごく自然にうまれるものです。

また、他の例を挙げると、近年はペット向けの仏壇が注目を集めています。仏壇そのものの価値というより、大切な人(ペットも含め)を丁寧に弔いたいという気持ちが芽生えたときに、仏壇に価値を感じるのではないでしょうか。

そもそも死んだら何も残らないと思っている

私はこれまでさまざまな媒体で多くの記事を執筆してきましたが、「死んでしまった人よりも、生きていくことにお金を使ったほうが現実的」「形より記憶としてとどめておくことが大切」「罰当たりかもしれませんが、現実にあるものがすべて」といった類いの意見をいただくことがあります。それも一度や二度ではありません。

たしかに、仏壇やお墓を購入したり、維持するためにはお金がかかります。形より記憶が大切というのも納得です。しかし、記憶にある故人とどのように向き合うか、位牌やお墓などに思いを形に表現することで整理できることもあります。 「亡くなったらおしまい」という考えで割り切れると思っている人でも、自分がその立場になったら平常心が保てるとは限りません。心が揺れ動き、深いグリーフ(悲嘆)に陥ってしまうケースも多々あります。

仏壇を家に置くメリット

では今度は仏壇を家に置くメリットを見ていきましょう。

精神的な安心感を得られる

仏壇は家庭に一定の規律と秩序をもたらし、そこに集う人の心に安らぎを招きます。現代では目に見える現実がすべてと思いがちですが、パワースポットを巡ったり、パワーストーンやセラピーグッズなど、精神的充足感や満足感、心の平安をうたうスピリチュアルアイテムやコンテンツはいつの世でも人気がありますよね。そんな中、案外、仏壇は一番身近なパワースポットとなるのではないでしょうか。日々の生活の中に仏壇がある家は、仏様が精神的な支えとなって守ってくれるという思いを自然に持つようになります。

故人やご先祖様とのつながりを持てる

仏縁といってしまうと敷居が高くなってしまいますが、故人やご先祖とのつながりを一番身近に感じるのが仏壇です。毎日仏壇にご飯やお茶、供物等をお供えし、そのおさがりを家族がいただく、という日課が行われている家では、それが親から子、子から孫へと伝わり、先祖あっての自分というつながりを無意識に感じ取るようになります。仏壇は過去と未来の縁者をつなぐよりどころとしての役割を担っています。

インテリアにも馴染むおすすめ仏壇

近年の仏壇のトレンドを一言でいうなら小型、家具調、シンプル。となります。シンプルでも素材にこだわった高品質な仏壇も多くあります。ご自身のライフスタイルに合う仏壇もきっと見つかるでしょう。

素材や仕上げにとことんこだわった桜製作所とのコラボ商品「KIYUI SAKURA」

桜製作所の職人の手仕事による丁寧な仕上げ。永きに渡り愛着が湧いてくるクオリティーです。素材は「ウォールナット」「樺桜」の無垢材2種類。一つとして同じものはない、自然が織りなす木目の美しさもお楽しみいただけます。こだわりのあるインテリアをお望みの方におすすめです。

輪島塗の名門キリモトとのコラボ商品「KIYUI KIRIMOTO」

輪島塗の基本技法「本堅地技法」や輪島キリモト独自の「漆布みせ技法」、「蒔地技法」を組み合わせる貴重な仕上げを施したモダンな仏壇。いわゆるツヤ感のある漆塗りとは違い、黒漆は質感もマットで落ち着いた趣きで、インダストリアルなインテリアにも適しています。

本黒檀を使用しながらも、シンプルなデザイン「匠」

伝統的な仏壇に用いられる本黒檀を使用した伝統工芸品である徳島仏壇ですが、シンプルでコンパクトな作りの匠は置く場所を選びません。書斎や寝室などに適しています。

仏壇はひと昔前まで、「立派なものを購入して次世代へ引き継ぐ」という考え方が主流でしたが、近年はライフスタイルに応じて買い替えもOKという考え方に変わってきています。

大きくて立派な仏壇というモノに対する価値よりも、自分たちが手を合わせる行為、つまりコトにこそ価値があり、心のよりどころを暮らしの中に持つことを伝えていこうという考え方です。 考えてみれば、それぞれの時代にさまざまな形で神仏が祀られてきました。現代でも寺院の御堂の中だけでなく、道端、ビルの上など多くの神仏が祀られています。遠くのパワースポットよりお世話になったおじいちゃん、おばあちゃんに挨拶する、そんな身近な信心の場として仏壇の価値を次世代へ伝えることができたら良いのではないでしょうか。

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